国宝臼杵石仏

日豊本線臼杵駅から南へ5キロほど離れた臼杵川上流には、深田の里がありここには真名野長者伝説まなのちょうじゃでんせつで伝わる61体の石仏が凝灰岩に彫られています。

平成7(1995)年に磨崖仏まがいぶつとしては日本で初めて、彫刻としては九州で初めて国の重要文化財として指定されています。

臼杵石仏は国宝

日豊本線臼杵駅前のロータリーにも中尊の大日如来のレプリカが飾ってあり、臼杵を初めて訪れた人々に臼杵 = 石仏という強いインパクトを与えています。

臼杵石仏レプリカ
最終更新日:2020年12月29日
臼杵石仏までのアクセスと基本情報

臼杵駅まえのバス停から「大分県庁前行」または「三重行」に乗り「臼杵石仏」で下車します。約20分。タクシーでは10分、レンタルサイクルを利用すれば40分ほどの移動時間です。

基本情報は以下

住所 〒875-0064 大分県臼杵市深田804-1
電話 0972-65-3300
拝観料 大人(高校生以上) 550円
小人(小中学生)  270円 
拝観時間 4月から9月まで 朝6:00 ~ 夜7:00まで
10月から3月まで 朝6:00 ~ 夜6:00まで
所用時間 30分~60分ほど。
主な行事 毎年8月最終土曜日に行われる火まつり

臼杵石仏の周辺地図

臼杵石仏地図
臼杵石仏の沿革

真名野長者伝説で伝えらるように蓮城法師が石仏を彫らせたのはあくまでも伝説であり、事実、臼杵摩崖仏が彫られた経緯や作者などは、現在のところ分かっていません

これだけ大規模な摩崖仏群を造顕するには彫られた時代とされる平安時代後期から鎌倉時代にかけての歴史的背景を知る必要があります。

当時の豊後の国は大神惟基おおがこれもとという武将の子、臼杵惟盛うすきこれもりによって拓かれていました。

惟盛以降4代目の臼杵惟隆うすきこれたか、弟の惟栄これよしが壇ノ浦の戦いで源義経に協力して平氏を滅ぼした時代、1170(嘉応2)年と1172(承安2)年を刻んだ五輪塔2基(中尾五輪塔)がホキ石仏群の崖の上に残されています。

臼杵石仏021

これは死者を供養するため建てられたと考えられています。

臼杵石仏の制作年代と当時の豊後の国の情勢から考えて、臼杵惟盛から4代までの間に、臼杵氏によって彫られたと考えるのが自然とされていますが、いずれも推測の域をでません。

臼杵石仏の見どころ

深田の里の入り口付近には、田んぼの中にぽつんと建つ鳥居が出迎えてくれます。

臼杵石仏001

石仏事務所脇の小道が臼杵石仏への参道となっています。

臼杵石仏001

臼杵石仏は、ホキ石仏第一群、ホキ石仏第二群、山王山、古園と四つの石仏群に分かれて彫られています。
※ホキとは「岸嶮(がけ)」という意味の地名です。

入口から50mほど歩くとすぐにホキ石仏第二群の建物が見えてきます。

石仏は雨や風によって浸食するのを防ぐため、下の写真のように全体が覆屋おおいやで守られています。

臼杵石仏004

ホキ石仏第二群の中には九品の弥陀像くぼんのみだぞうという、9体の阿弥陀如来像が彫られており平安時代末期の作。

大乗仏教の経典の1つ観経では、九品往生について説いており、冥途への生き方について九品の阿弥陀仏様が導いてくれるというもの。
※九品とは生前の善悪に対して9つの上品3つ、中品3つ、下品3つで分類される。

臼杵石仏008

そして、臼杵石仏の中でもっとも優れた石仏の一つ、阿弥陀三尊像あみださんぞんぞうは平安時代後期の作。

阿弥陀三尊は真ん中に阿弥陀如来、両脇に観音菩薩・勢至菩薩を配するの安置形式の一つです。臨終の際に西方極楽浄土からお迎えに来られる仏様が阿弥陀如来だとされています。

臼杵石仏010

落ち着いていておごそかな中にも上品なそのお姿には、思わず合掌をせずにはいられません。

臼杵石仏011

ホキ石仏第一群の如来三尊像にょらいさんぞんぞうです。

臼杵石仏016

ホキ石仏第一群の石仏の全体像。

臼杵石仏017

地蔵十王像じぞうじゅうおうぞう。中尊の地蔵菩薩とその左右に五体づつ十王が並んでいる様子がうかがえます。

お地蔵様は冥界では閻魔大王とされており、このがん(仏像を安置する厨子)は死者の生前の行状を裁く裁判官の一群をあらわしています。

臼杵石仏018

山王山石仏さんのうさんせきぶつ。「隠れ地蔵」とも呼ばれていますが、お地蔵様ではなく中尊が釈迦陀如来で、右が阿弥陀如来、左に薬師如来となっています。

臼杵石仏027

山王山石仏側から、ホキ石仏群第一群の建物を見た風景です。

臼杵石仏028

さらに参道を歩いて、古園石仏の建物へ

臼杵石仏033

古園石仏ふるぞのせきぶつです。中尊の大日如来像は、臼杵石仏を紹介したメディアなどで取り上げられることの多い代表的な石仏で平安時代後期の作。

大日如来は密教の世界では宇宙を神格化した絶対的な存在である。全ての仏様はこの大日如来の化身とされ、まさに仏の中のトップオブトップである。

臼杵石仏038

左手の人差し指を立てて、その指を右手で覆う、大日如来が結ぶ印相の智挙印ちけんいんが見てとれます。

臼杵石仏037

古園石仏群の目の前には、石仏公園が広がり四季合わせて咲く花(ハスの花、コスモス)も楽しめます。

石仏公園内ハスの花 石仏公園内コスモスの花
臼杵石仏の御朱印

臼杵石仏の臼杵八ヶ所霊場第1番の御朱印は臼杵石仏事務所内にて納経料300円で頂くことができます。(下の写真向かって左の建物)

臼杵石仏033 臼杵石仏御朱印
臼杵石仏のまとめ

今回は大分県臼杵市の代表的な観光スポットの1つである、国宝臼杵石仏について解説をしてきました。以下ポイントをまとめます。

  • 臼杵駅前のロータリーにも大日如来の石仏(レプリカ)がある
  • 臼杵駅から臼杵石仏までの移動時間はタクシーで10分、バスで20分、自転車では40分
  • 臼杵石仏の全体を見て回る所用時間は約30分~60分
  • 深田の里に臼杵石仏が彫られた経緯は不明
  • 御朱印は入口にある石仏事務所(初穂料300円)にて頂くことができる
  • 石仏公園では四季折々の花々を楽しめる

目の前に広がる臼杵石仏公園には、その他にも石仏群の中にある日吉神社満月寺とその境内にある仁王像や宝篋印塔、石仏梵鐘、真名野長者像など魅力的な史跡が多く存在しています。合わせて観覧してみてはいかがでしょうか。

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