中尾五輪塔なかおごりんとう

臼杵市中尾にある中尾五輪塔2基

大分県臼杵市深田にある国宝臼杵石仏群には、国内で2番目、3番目に古いとされる2基の一石五輪塔「中尾五輪塔」(国の重要文化財)が残されています。

ホキ石仏第一群(堂ヶ迫石仏)が刻まれる崖面の真上の丘陵にあり、古くは「聖塔ひじりとう」とも呼ばれ、庶民からも親しまれてきた塔です。

最終更新日:2022年11月26日
中尾五輪塔までのアクセス

臼杵駅まえのバス停から「大分県庁前行」または「三重行」に乗り「臼杵石仏」で下車します。約20分。タクシーでは10分、レンタルサイクルを利用すれば40分ほどの移動時間です。

石仏マップ

下の写真はホキ石仏第一群(堂ヶ迫石仏)の覆屋出口付近です。案内板通り出て右側にある細い上り坂を130mほど進みます。(一本道なのでわかりやすい)

ホキ石仏第一群(堂ヶ迫石仏)の覆屋の出口
中尾五輪塔の由緒

中尾五輪塔建立の詳細は不明ですが、平安時代末期の平氏が隆盛を極めた時代に造られたと考えられています。

いずれも国宝臼杵石仏と同じ溶結凝灰岩でできており、国宝臼杵石仏の第一期が造られた時期と近いことから、その石仏群との関連性も指摘されています。

向かって左側の大きな五輪塔は高さが約1.5m「嘉応二年(1170年)」と刻銘があります。

変わって右側の小ぶりな五輪塔は高さが約1.0m「承安二年(1172年)」と刻銘、他に「願主金剛遍照(がんしゅこんごうへんじょう)」が刻まれ、大日如来に祈りを捧げる目的で造られたともいわれています。

この五輪塔はいずれも1つの大きな石を刻んで仕上げられていることから、「一石五輪塔」などと呼ばれています。

その特徴は石の形が下から方形、円形、三角形、半月形、宝珠で形成され、仏教では釈迦の遺骨を納めた仏塔(仏舎利)と同じ意味合いがあります。

日本では平安時代末期から造られるようになり、石にはそれぞれ「五大」と呼ばれ万物を構成する要素である5つの文字、下から「地・水・火・風・空」(梵字)が刻まれています

合わせて立ち寄りたい近場スポット

写真をクリックしますと、詳細ページにうつります。