一乗院(心源寺)

一乗院は大分県臼杵市東戸室に建つ高野山真言宗の寺院です。古くは大友家15代大友親繁が没した際に子の政親が創建した「心源寺」と呼ばれる禅寺でした。
寺院は戸室台地と呼ばれる小高い丘に位置しており、境内西には大友親繁公の墓碑、東には風光明媚な臼杵湾を望むことができます。

アクセスと基本情報
JR日豊本線 上臼杵駅から伸びる県道を北へすすみ、臼杵川にかかる「万里橋」を渡りさらに北へ徒歩15分ほど。戸室地区にある高台の上に建てられています。
基本情報
一乗院
住所 | 〒875-0051 大分県臼杵市戸室260 |
創建 | 1717(享保2)年2月 教覚 |
本尊 | 観世音菩薩 |
宗派/山号・寺号 | 高野山真言宗 山号は友石山 |
その他 | 臼杵西国三十三ヶ所観音霊場 第八番札所 |
心源寺
住所 | 同上 |
創建 | 1493(明応2)年、大友政親(大友家16代当主) |
開山 | 東震正営 |
宗派/山号・寺号 | 創建時は禅宗で山号は友石山 |
由緒
1493(明応2)年に大友家15代当主大友親繁が没すると、その子で16代当主の大友政親が臼杵戸室に東震正営禅師を開山として禅寺「心源寺」を創建します。山号は友石山。

大友親繁は混乱していた国内をまとめ上げ、1467(応仁元)年に起こった「応仁の乱」では大内政弘(西軍)について戦います。また朝鮮との対外貿易でも力を発揮、室町から戦国時代にかけて活躍した武将、守護大名です。1476年(文明8)年に家督を長男の政親に譲り、1493(明応2)年に83歳で死去。
柳川藩主だった立花宗茂が建立した福岡県柳川市にある心源寺(曹洞宗)には大友親繁の位牌が残されています。現在臼杵市戸室に建つ大友家の供養塔を再興したのは津久見の大友宗麟公の墓碑を改装したことでも知られる臼杵城豊であるといわれています。

一乗院は1717(享保2)年に一乗院教覚が創建します。1719(享保4)年設定の「臼杵西国三十三ヶ所観音霊場」では第八番札所となっています。
その後寺院は空堂化していましたが、明治期に修験者高野文慶師が堂宇を復興し、現在は高野山真言宗に属しています。
境内正面には入母屋造桟瓦葺きのお堂が建ち、深閑とした空気が流れる静かな境内では悠久の時を体感させてくれます。

今も変わらず臼杵湾を一望できる境内、西にあるお墓の中には大友親繁公が静かに眠っています。

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