宝蓮寺ほうれんじ

宝蓮寺は大分県臼杵市海添にある浄土真宗の寺院です。通りから見える本堂の屋根の急勾配が美しく、思わず足を止めて見入ってしまいます。

宝蓮寺 本堂
最終更新日:2022年8月29日
宝蓮寺へのアクセスと基本情報

JR日豊本線 臼杵駅の改札を抜けて、目の前を流れる海添川(たたら川)沿いを南下します。竹尾橋から西に10mほど入った場所に位置しています。徒歩約10分。

基本情報

住所 〒875-0042 大分県臼杵市海添105
電話 0972-62-3318
拝観時間 特に記載なし
拝観料 拝観自由
創建 1689(元禄2) 現在地に移築
開山 善西(ぜんざい)
本尊 阿弥陀如来
宗派/山号・寺号 宗派:浄土真宗 東本願寺派/ 山号は霊法山
宝蓮寺の由緒

豊後国誌によれば「臼杵荘海添村うすきしょうかいぞえそんに在り。本願の徒善西ぜんざい、寺をはじむ。其の年をつまびらかにぜず。」と記されています。

最初は現在の場所より北にある祗園橋近くかつてあった鉄砲町に建てられていました。1688(元禄元)年に発生した250戸を全焼するほどの大火に見舞われ、1689(元禄2)年に現在の場所に移ります。

宝蓮寺 本堂縁側

本尊は木造の阿弥陀如来像で定朝じょうちょう(平安後期に活躍した仏師)作と伝わっています。

宝蓮寺の見どころ

臼杵駅の改札を抜けると目の前を流れるのは海添川(たたら川)。大岩山麓を水源として静かに蛇行を繰り返して山間部から市内中心を抜けて臼杵湾へ注いでいます。

海添川(たたら川)

海添橋を渡り左折、そのまま上流へ進んでいくと「海添」と呼ばれる臼杵城下東の玄関口に着きます。武家屋敷が多く集まり、臼杵の中でも文化人や政治家を輩出した地域でもあります。

そんな海添地域のちょうど中心に宝蓮寺は位置しています。山門は2階部分に鐘楼がある鐘楼門です。

宝蓮寺の壮麗な鐘楼門

風化した屋根瓦やくすんだ柱からは、長い年月を経て刻まれた歴史の一端を垣間見ることができます。

宝蓮寺 入口

山門をくぐると、すぐ目の前に壮麗な本堂が建てられています。入母屋造の美しい急勾配は、見る者を魅了します。

宝蓮寺 急勾配の屋根が美しい本堂の佇まい

境内に入って驚くべきは、手入れの行き届いた美しい日本庭園です。寺院の作庭には宗教的思想が含まれおり、多くは極楽浄土を再現しているとも言われています。

宝蓮寺 手入れの行き届いた日本庭園

西側にひっそりと佇むのは樹齢300年と言われている「そてつ」です。

宝蓮寺 樹齢約300年のソテツ

境内奥には1336(建武3)年記名のある五輪塔が建てられています。

宝蓮寺 観音堂建築様式

鐘楼門を見ているとある疑問が湧いてきます。それは2階部分の梵鐘が吊るされたスペースにはどのようにして入るのかということ。ハシゴでも掛けるのでしょうか。

宝蓮寺 鐘楼門を見上げた

臼杵市内にある寺院の大半は、江戸期に入封してきた稲葉氏によって創建、配置換えが行われました。

この海添地区では真言宗の寺院が特に多く、浄土真宗の寺院は宝蓮寺のみとなっています。

境内へ足を踏み入れたとたんに、静謐な空気に包まれ身が引き締まる思いを体感します。

たまにはのんびりと古寺巡礼、そんな旅を愉しんでみてはいかがでしょうか。

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