天満神社(久保天神、小野天神)
天満神社は大分県臼杵市戸室に鎮座する300年以上も歴史のある由緒ある神社です。小野天神と久保天神が合祀され、祭神は菅原道真が祀られています。

天満神社の上り口には流浪の関白として知られる、近衛前久公(1536~1612年)が臼杵安養寺に立ち寄った際に名水として愛した「近衛水(抑揚水)」の跡が残されています。

アクセスと基本情報
JR日豊本線 上臼杵駅の改札を抜けて西へ、途中国道217号線をそのまま北東方向へ臼杵川に架かる昭和橋を渡って北へ臼杵市立市浜小学校の目の前。徒歩約15分。
基本情報は以下
住所 | 〒875-0051 大分県臼杵市久保20 |
電話 | なし |
拝観料 | 拝観自由 |
拝観時間 | 情報なし |
創建 | 1626(寛永3)年 |
祭神 | 菅原神 |
天満神社の由緒
「寺社考」によれば小野天神は中古(1500年代)に安達善右衛門が勧請し、江戸期の1735(享保20)年頃善兵衛から下って六代目の孫である 与兵衛が神社を管理すると記されています。
また、久保天神は、「神社明細帳」に1626(寛永3)年、肥後(現熊本県)細川藩主の家臣、山村主水が勧請すると記されています。

小野天神は、小野村藩内に祀られていましたが、後に久保天神と合祀して、「久保天神」と称します。久保天神祭礼では多くの地域の人々が「市」を開きましたが、その後衰えて臼杵の城下町に移されます。
1879(明治12)年に、久保(小野)天神の分霊は市浜にある松島神社に合祀されます。1915(大正4)年11月に神殿を新築、昭和5年に神楽殿を新築、昭和27年に宗教法人として「天満神社」となります。

参道脇には、先の関白近衛前久公が臼杵の安養寺に立ち寄った際に命名した臼杵の名水「近衛水」の跡が残されています。
天満神社の見どころ
上臼杵駅から徒歩で15分ほどの距離市浜地区に鎮座する天満神社。すぐ背後には市浜小学校があり平日は楽しそうに遊ぶ子供たちの元気な声が聞こえてきます。

一の鳥居の扁額には「天満社」が刻まれ、300年近く前に創建された古社の風情が感じられます。

石段を上りきると二の鳥居が立てられ、境内に足を踏み入れると思いのほかすっきりした社殿配置に驚きます。

境内左手には入母屋造本瓦葺きの拝殿。目新しい社殿で簡素ながら軒の出が深くその趣のある美しい佇まいが目を引きます。

拝殿の脇に狛犬。

拝殿からつづく廊下の先には一間社流造の本殿が建てられていました。空高くつき上げた千木(ちぎ)と存在感のある鰹木(かつおぎ)を載いた社殿からは厳かな雰囲気が漂っています。

雨の中で黒く光る社殿は、いっそう幻想的な空間を演出し参拝者を迎い入れてくれます。

神池で鳴くかえるの声さえも神々しく聴こえてくるのは不思議です。

参道脇に現在も残される近衛水の井戸。前の関白、近衛前久は1575(天正3)年に九州に下向して大友氏と薩摩(鹿児島)の島津氏との和睦のために臼杵の安養寺を訪れます。
その時に天満神社(久保神社)の湧き水が茶の湯や書に良いと称賛。後に「近衛水(抑揚水)」と呼ばれるようになります。

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