臼杵で紅葉を楽しむ
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大分県臼杵市で紅葉を楽しめる場所はたくさんあります。その中でぼくが毎年この時期に訪れる場所が、臼杵市大字家野にある「禹稷合祀の壇(うしょくごうしのだん)」という場所です。市の史跡にも指定されています。

1740(元文5)年に臼杵藩の命により建てられた祭壇です。当時このあたりで毎年のように続いた洪水や干ばつなどの影響で、農作物の出来が悪く不作が続いたことで困り果てた藩が災害を鎮める目的で建てたものです。
「禹(う)」とは中国古代の神話にみえる農業神のこと、「稷(しょく)」は故事にちなんで治水の神を意味していて共にこちらにお祀りされています。
場所は臼杵市街地から少し離れた、旧県立臼杵商業高等学校(現在は閉校)から北東へ100mばかり行った家野という地域に位置しています。
2段の祭壇は凝灰岩の切石で積みあがっており、二段目の四面中央に石段がある形態はめずらしく九州でも長崎県とこの場所でしか見ることができないようです。

祭壇の前には明神鳥居がひっそりと立てられており、まさに農業と治水の神が宿る神聖な場所であることを実感します。

規模は小さいですが、祭壇付近に植えられた数本の広葉樹が赤や黄色のグラデーションを見事に表現してくれています。


特に陽が傾いた時間帯は、色づいた葉が太陽に照らされて光り輝いています。心穏やかに癒される場所なのですっかり時が経つのを忘れてしまいそうです。
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